研究課題
基盤研究(C)
トーラスから1点を除いて得られる面と同相なリーマン面を穴あきトーラスと呼ぶ。トーラスにその把手を定める2本の単純閉曲線の組を指定したもの全体Tは,3次元ユークリッド空間内の滑らかな閉領域と同一視される。さて,把手を指定した種数正のリーマン面Yを1つ固定し,Tの元Xのうち,Yの中への正則写像で指定した把手に写されるようなものが存在するXの全体の集合Aの幾何学的性質を調べた。とくに,Aはリプシッツ境界を持つ閉領域でTと同相であることを見出した。Aの境界が滑らかではない場合があることも示した。さらに,正則写像を等角写像に置き換えても類似の結果が成立することを証明した。
数物系科学