研究実績の概要 |
身の回りに起きるさまざまな現象を,数学の理論を用いて解析するために,偏微分方程式を利用する。現象を記述する偏微分方程式の解を解析することによって,現象の起因を説明するとともに将来の予測が可能となる。偏微分方程式の解の存在や解の特性を調べるとき,本研究の主題である関数空間が重要な役割を果たす。本研究において,ソボレフが開始した理論,すなわち,ソボレフの定理を発展させることによって,身の回りに起きる複雑な現象を解明するための数学的な方法を数多く与えることに成功した。特に,変動指数をもつ関数空間におけるソボレフの定理の発展は世界の最先端を駆けるものである。本研究で得られた成果は,本年2月に数理解析研究所で開催された研究集会において,「Generalized Riesz potentials in Herz-Morrey spaces」という題目で発表した。さらに,本研究で得られた成果をつぎのように公表した: 1.Mizuta, Yoshihiro; Ohno, Takao; Shimomura, Tetsu 著 「Growth properties for Riesz potentials of functions in weighted variable L^{p(・)} spaces」 Nonlinear Analysis 162 (2017) 49-75. 2.Yoshihiro Mizuta, Takao Ohno, Tetsu Shimomura and Yusuke Yamauchi 著:「Growth properties near the origin for generalized Riesz potentials, J. Math. Anal. Appl. 454 (2017), 285-302. このように,本研究を継続・発展させることによって,さまざまな現象を解明し将来予測に結び付けるための理論の開発が大いに期待される。
|