自己増殖作用をもつ非拡散物質と拡散物質の相互作用を記述した反応拡散系について、特に解の爆発に着目し、相互作用と解のダイナミクスの関連を考察した。考察する系は、例えば肺がんのモデルなどが知られており、実際の現象を記述する数理モデルとして重要な役割を果たす。 本研究では、有限時間爆発する系と無限時間爆発する系があることを示した。どちらの場合も、対応する常微分方程式系の解は時間大域的に存在しかつ有界である。従って、拡散の影響で爆発が起こることを明らかにした。有限時間爆発については、構成的に示すことで爆発の形状も明らかとなり、無限時間爆発については、そのメカニズムになり得る弱定常解の存在を示した。
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