研究課題/領域番号 |
26400160
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50215943)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 一意性 / 正値球対称解 |
研究実績の概要 |
楕円型方程式の正値球対称解の一意性についての研究を行った。非線形項は限定されてしまうがPohozaev関数を使って正値球対称解の一意性についての結果は得ていた。しかし、次元が2の場合は完全には、調和ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式については、これまでに得られていた結果を完全にはカバーできていなかった。それをカバーできるように定理を拡張し、これまで得られていなかった次元が2の場合のHaraux-Weissler方程式の正値解の一意性にも適用できることを示した。また、正値解が一意であるという条件とほぼ同等な条件の下で、その一意正値解の非退化性も示し、その結果を松隈方程式、調和ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式、球面のキャップ上のBrezis-Nirenberg問題などの様々な方程式に応用できることを示した。 分数べきラプラシアンとその臨界指数を含む楕円型方程式について、アニュラスの外径と内径の比がすごく大きいような感じのトポロジーが非自明な領域において、正値解が存在することを示した。分数べきラプラシアンについては、通常のラプラシアンの場合のグローバルコンパクトネスの結果はまだ得られていないが、符号変化解が出てこないレベルに汎関数の値を制限することにより、グローバルコンパクトネスが成り立つことを示した。また、極限方程式の正値解のエネルギーの2倍より小さいエネルギーを持つテスト関数を作らなければならないが、Talenti関数を修正することにより、それを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究実施計画で述べた楕円型方程式の非退化性を得ることと、それを松隈方程式、調和ポテンシャルを持つ非線形シュレディンガー方程式、球面のキャップ上のBrezis-Nirenberg問題に応用することについては、順調にその結果を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
連携研究者と毎週共同でセミナーを行い、関連する論文を読んだり、研究課題についての問題点をディスカッションするなどして、研究を進める。研究成果の発表や情報収集を行うため、国際会議や国内の研究集会に参加する。今年度の国際会議では、Equadiff 2015において、研究発表を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
体調が万全ではなかったため、予定していた研究集会の参加を見合わせたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
国際会議での研究発表の旅費の一部として適切に使う。
|