(1)磁束の量子化条件を満たす2点δ磁場に対するSchroedinger作用素の散乱振幅の公式を与え、それに対する数値計算結果を得た。特に高エネルギーの場合、結果が既存の伊藤-田村の漸近公式と良く一致することを確かめた。さらに、得られた結果を積分することにより、スペクトル・シフト関数に対する明示的な公式を与えた。 (2)可解な周期的Schroedinger作用素であるKronig-Penneyモデルについて、各バンドに制限した時間発展作用素に関する分散型評価を与えた。tの-1/2乗で減衰する項に加えてtの-1/3乗で減衰する項が現れるが、後者の係数のバンド番号に関する評価を与えた。
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