研究実績の概要 |
非実解析関数のクラスにおけるキルヒホフ方程式の大域可解性について: キルヒホフ方程式の大域可解性の問題は、実解析関数または小さな初期値に対しては、適当な条件の下で大域可解性が成り立つ。また、初期値が非実解析関数である場合には、Nishihara[N84]による準解析関数クラス、またはManfrin[M05]によるManfrinクラスにおいては、大域可解性が成り立つことが知られている。[N84]と[M05]はそれぞれ、Ghishi-Gobbino[GG11]とHirosawa[H06]などによってより広いクラスに一般化されたが、これらのクラスは互いに包含関係が無いこと以上のことはわかっていない。本年度得られた研究成果は、Manfrinクラスを一般化した[H06]で導入されたクラスを、更にultradifferentiable classの立場から一般化したもので、[GG11]で導入された一般化された準解析関数のクラスを統一的に記述するための第一歩と期待される結果である。この結果は[H15]として公表済みである。 [N84] K. Nishihara, Tokyo J. Math. 7 (1984). [M05] R. Manfrin, J. Differential Equations, 211 (2005). [H06] F. Hirosawa, J. Differential Equations 230 (2006). [GG11] M. Ghisi and M. Gobbino, Bull. Lond. Math. Soc. 43 (2011). [H15] F. Hirosawa, Nonlinear Anal. 116 (2015).
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