本研究では,物質の状態変化を考慮した Kobayashi-Warren-Carter 結晶粒界モデルを理論解析し,解の存在や性質を明らかにした。また,閉区間[-1,1]上の指示関数の劣微分項を含む Allen-Cahn方程式の特異極限問題を考察し,劣微分項の元の特異極限の性質や解の特異極限関数との関係を明らかにした。さらに,純粋な液相と固相の時間的変化に関する数値実験を行うための安定性条件の導出,離散アルゴリズムの構築,数値実験の実施等を行った。 また,様々な相転移現象モデルの最適制御問題を考察するとともに,抽象非線形発展方程式に対する,解の一意性を必要としない特異最適制御理論の構築を行った。
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