研究課題/領域番号 |
26400186
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤原 良叔 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (30165443)
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研究分担者 |
繆 いん 筑波大学, システム情報系, 教授 (10302382)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | finite projective space / flat / i-line / flameproof code / i-line free flat |
研究実績の概要 |
研究の中心は 2-separable code からより強力な 2-frameproof code の性質や構成に移った.特に線形 2-frameproof code の場合,射影空間 PG(n,2) の中のフラット(線形部分空間)で i-line を含まない k-flat の存在と k-1次元線形 2-frameproof code の存在が同値であることがわかった. そのような k-flat を i-line free k-flat と呼ぶことにする. i-line とは, PG(n,2)の各点をGF(2)上のn+1次元ベクトルで表現できる.今PG(n,2)上の2点A,Bを(0,1)論理ベクトルとみなしたとき,A and B =C= 0 (0 はゼロベクトル)となるような直線 {A, B,C} のことである.問題はi-line を含まない最大の線形部分空間の次元 k はいくつか. またそれをどのように構成するかということである.今の所,i-line を含まない (n+1)/2 次元の線形部分空間 が存在することは証明できているが,これが最大であるかどうかは未証明である. また,指紋符合を含めた,符合の応用の環境が近年大きく変化しており,今まで重要な応用先と考えられてきた分野が,環境変化で,今までの符合が全く無用になったような例が見受けられる.あるいは,全く新しい符合に対する要求も現れてきており,それらの研究が必要になってきていることがわかってきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5月にR.M.Wilson 教授(カリフォルニア工科大学・栄誉教授)が来日し,極地集合論や組み合わせ的構造に関する議論を行った. また11月の中国西安での国際会議で,多くの組み合わせ理論の研究者と情報交流を行うことができた. そして,幾つかの重要問題に取り組んでおり,進展があった時はまた議論することとなった.等研究は順調に進んでいる. 2-frameproof code のバウンドに関する研究は進んでいるので,これに線形条件を加えた場合のバウンドの研究を行った.
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今後の研究の推進方策 |
Binary Flameproof code の線形の場合の最大次元は幾つか,またそれを如何に構成するといった問題は未解決のままである.またバウンドに関しても線形に限定すれば,かなりタイトな上界式あるいは厳格な最大数ができるのではないかと予想している.これらの問題に挑戦しようと思っている.
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次年度使用額が生じた理由 |
3月の初旬に Florida Atlantic University で開かれる,South-Eastern Conference on Combinatorics and Grath Theory に参加する予定にしていたが,家庭の事情で参加できなくなってしまった.この分の予算が余ってしまった.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は国際会議に積極的に参加する予定で,そのために支出する計画である.
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