研究課題
研究代表者は代数的符号理論において,これまで,主に与えられたパラメータや数理構造をもつ符号の存在問題および構成法の研究をおこなってきた.本研究においては,こうしたこれまでの研究を土台にして,マトロイド理論と量子情報理論の2分野における同種の古典的問題を新たな視点から研究し,異なる分野間における統一的構造の理解をより深めることを目的として研究を進めている.本年度においては,これまでに行った各課題における計算機実証実験の結果をもとに理論的考察(理論の構築および結果の一般化、拡張可能性の考察)に取り組んだ.具体的な研究成果は以下の通りである.1.マトロイドのそのマイナーの関係を符号理論的に把握することを目的として,様々な計算データによる考察をおこなった.その結果,2元符号については,射影幾何上での部分構造に着目することで関係性を視覚化できることが分かった.このことから,特に完全グラフをマイナーとする符号の特徴付けをおこなうことができた.2.様々臨界指数をもつ表現マトロイドの特徴付けのため,Dowling matroidの臨界指数に関する必要十分条件について研究をおこなった.特に,Griesmer限界式や最適符号の存在状況等の符号理論的構造を利用することで,大きな臨界指数をもつDowling matroidについては,目標としていた必要十分条件を導くことができた.また,具体的な表現体や臨界指数に応じた必要十分条件も導出することができた.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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