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2015 年度 実施状況報告書

Thomassen予想とTutte閉トレイル問題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26400190
研究機関日本大学

研究代表者

善本 潔  日本大学, 理工学部, 教授 (90307801)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードハミルトンサイクル / 偶グラフ / Thomassen予想 / 3正則グラフ / 支配的グラフ / レインボーサイクル
研究実績の概要

平成27年度は、4月に中国・福州大学で開催された組合せ論国際会議に出席し、仏CNRSのLi教授と、本研究者とLi教授、Faudree教授との共同研究による成果、最小次数が大きい稠密なグラフにおける指定した非交差な頂点集合X, Yを交互に通るハミルトンサイクルの存在の拡張について議論した。
10月にチェコ・西ボヘミア大学のCada准教授を招聘し、国立情報学研究所の小関助教と3人で共同研究を行い、Thomassen予想と直接関係する、3正則グラフにおける、全ての点の次数が偶数である偶グラフの最小成分数について研究し、本研究者とJackson教授の結果、essentially 3-edge-connectedグラフは、全域的な偶グラフで、どの成分も5頂点以上からなるものをもつ、を拡張した結果を完成させた。すなわち、全域性を、どの辺も接続しているという、支配性に条件をゆるめ、essentially 3-edge-connected3正則グラフが、支配的な偶グラフで、どの成分も6頂点以上からなるものをもつことを示した。
12月に、オーストラリア・ブリスベン大学で開催された国際会議に出席し、Cada准教授、Kaneko博士、Ryjacek教授との共同研究によって得られた、稠密な辺着色されたグラフにおけるレインボーサイクルの存在についての講演を行った。即ち、すべての辺を着色し、どの点からも位数の2分の1+2以上の異なる色で塗られた辺があれば、全ての色が異なる(レインボーな)長さ4以上のサイクルが存在することを示した。この結果は、Li教授の長さ3のレインボーサイクルの存在についての結果を発展させた我々の予想の特別な場合になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Thomassen予想、すなわち4連結ライングラフはハミルトンサイクルをもつ、の解決のために重要な3正則グラフの研究が大いに進んだ。第一歩となるJackson-善本の結果の、支配的偶グラフへの拡張が完成した。
証明の基本的な手法は、グラフのレダクションで、三つの、五角形を幾つか組合せて得られるグラフ-セルと呼ぶ-を特殊な方法で小さくする手法の開発が完成した。
特に当初多くのセルをレダクションしなければならないと思われていたが、証明を完成させる過程で、三つに減らすことに成功したことが大きい。このことにより、さらに主張を発展させるときの戦略を見通せるようになった。

今後の研究の推進方策

本研究者と、Cada准教授、千葉講師、小関助教による共同研究によって得られた、essentially 3-edge-connected3正則グラフにおける支配的偶グラフの存在の拡張を行う。全域性についてのJackson-善本の結果は、一般のグラフにおける主張であり、上記のCada-千葉-小関-善本の結果についても、一般のグラフへの拡張が問題になる。
その場合の障害はわかっているが、その解決の手法は、Jackson-善本の結果における全域性の場合と異なり、支配性では全く新しい手法、または特徴の発見が必要となる。28年度も、6月と11月にRoman准教授を招聘し、その解決のための共同研究を行う予定である。
また、稠密なグラフのハミルトン性についての研究は、ハミルトン性を弱めた2因子の研究が重要である。6月に中国・西北工業大学のBinlong准教授を訪問し、稠密性をゆるめ、ライングラフがもつ性質-クローフリー性とを組み合わせた条件のもとでの2因子の存在について共同研究を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

共同研究のための招聘費用/旅費として準備したものが残ったため

次年度使用額の使用計画

共同研究のために、招聘費用及び旅費として使う。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] 西ボヘミア大学(チェコ)

    • 国名
      チェコ
    • 外国機関名
      西ボヘミア大学
  • [国際共同研究] L.R.I., CNRS and Universite de Paris-sud(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      L.R.I., CNRS and Universite de Paris-sud
  • [雑誌論文] Equivalence of Jackson's and Thomassen's conjectures2015

    • 著者名/発表者名
      R. Cada, S. Chiba, K. Ozeki, P. Vrana and K. Yoshimoto
    • 雑誌名

      J. Combin. Theory Ser. B

      巻: 114 ページ: 124-147

    • DOI

      doi:10.1016/j.jctb.2015.04.001

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 2-factors with bounded number of components in claw-free graphs2015

    • 著者名/発表者名
      Z. Ryjacek, K. Ozeki and K. Yoshimoto
    • 雑誌名

      Discrete Mathematics

      巻: 338 ページ: 793-808

    • DOI

      10.1016/j.disc.2014.12.017

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A relationship between Thomassen's conjecture and Bondy's conjecture2015

    • 著者名/発表者名
      R. Cada, S. Chiba, K. Ozeki, P. Vrana and K. Yoshimoto
    • 雑誌名

      SIAM Journal on Discrete Mathematics

      巻: 29 ページ: 26-35

    • DOI

      10.1137/130937974

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 2-Factors in Claw-Free Graphs with Lower Bounds Cycle Lengths2015

    • 著者名/発表者名
      R. Cada, S. Chiba and K. Yoshimoto
    • 雑誌名

      Graphs and Combin.

      巻: 31 ページ: 99-113

    • DOI

      10.1007/s00373-013-1375-z

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] On dominating even subgraphs in cubic graphs II2015

    • 著者名/発表者名
      善本 潔
    • 学会等名
      応用数学合同研究集会
    • 発表場所
      龍谷大学(滋賀県大津市)
    • 年月日
      2015-12-16 – 2015-12-16
    • 国際学会
  • [学会発表] Rainbow cycles in edge-colored graphs2015

    • 著者名/発表者名
      善本 潔
    • 学会等名
      Australasian Conference on Combinatorial Mathematics and Combinatorial Computing
    • 発表場所
      ブリスベン大学(オーストラリア・ブリスベン市)
    • 年月日
      2015-12-07 – 2015-12-07
    • 国際学会
  • [学会発表] On dominating even subgraphs in cubic graphs2015

    • 著者名/発表者名
      善本 潔
    • 学会等名
      離散数学とその応用研究集会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本県熊本市)
    • 年月日
      2015-08-22 – 2015-08-22

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公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-08  

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