研究実績の概要 |
4月にチェコで開催された、Thomassen予想と関係が深いMatthews-Sumner予想に関する、国際会議「9th Workshop on the Matthews-Sumner Conjecture and Related Problems」に出席し、Properly coloredな長さ4のサイクル(PC C_4 or PC K_{2,2})を持たない辺着色された完全2部グラフの構造に関する結果を「On rainbow K_{2,2} of edge-colored graphs」という題目で発表した。本研究は、チェコのCada准教授(ウエストボヘミア大学)や小関准教授(横浜国大)との共同研究による成果で、Gallaiの分割定理型の構造定理になっている。この結果をさらに発展させるために、完全グラフにおける構造定理の研究を主に行った。 特に10月末からオランダのBroersma教授(Twente大学)を訪問し、PC偶サイクルを含まない完全グラフの構造定理について共同研究を行った。そこでは幾つかの重要な問題と例が発見された。さらに12月から上記Cada准教授を日本大学理工学部に招聘して共同研究を行い、辺着色された完全グラフの構造の概形を得ることに成功した。 具体的には、有向グラフと深い関係のあるessentially multipartite tournament(EMT)になる場合とならない場合に分けられ、EMTにならない場合の構造は予想されていたものよりはシンプルできれいな構造を持っていることがわかった。EMTでない辺着色された完全グラフについての結果は他になく、本研究が最初の結果である。この結果は、2018年2月に軽井沢で開催された「2018年グラフと解析研究集会」で発表した。
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