研究実績の概要 |
本研究では、特に当該年度2017年度、不動点理論の中でも新しい概念であるattractive pointに加えて、それから動機づけられて本研究で新しく導入したacute pointという概念、加えて写像族に対してはcommon attractive point, common acute point、さらに不動点を用いて、非線形関数解析学の構築と非線形問題を究明することを目的として研究を行った。特に中心的に研究したこととして、不動点理論と凸解析に関する非線形関数解析学の理論を体系的に確立する研究を行い、それも基にして不動点理論・不動点近似の立場から非線形問題を再構成し、不動点の存在・不動点近似の研究をして、それへ帰着させて非線形問題の究明を行った。それの構造的な観点から、また一般化としてattractive point近似、acute point近似に関して力点をおいて研究した。主な研究成果としては以下の通りである。uniformly asymptotically regularをみたす写像族に対する収束定理を示した。ハルパーンタイプ、マンタイプの点列を用いて、λ-ハイブリッド写像およびそれらに関連する写像の不動点への収束定理も示して、さらにattractive pointへの収束定理も示した。さらに、陰的イタレーションを用いてハイブリッド写像、ジェネラライズドハイブリッド写像の不動点への収束定理およびそれらに関連する写像の不動点への収束定理も示した。これは、昨年度から研究しているk-シュードコントラクティブ写像に対する収束定理の成果も基にして得られた結果である。その意味で、前年度、一昨年度の研究である基礎的研究を有機的に取り入れて得られた研究成果といえる。陰的イタレーションを用いた収束定理を示して、それを基に新しいタイプの点列を考案し、それによる収束定理を示すこともできた。
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