研究実績の概要 |
前年度, 瀬部先生(九州工業大)と行った研究内容である「H∞制御から導出される行列不等式問題の解析」を国際会議8th IFAC Symposium on Robust Control Design(スロバキア)と22nd International Symposium on Optimization(アメリカ)で講演した. 講演内容をもとに, 現在論文としてまとめている段階である. この研究内容から, 最適化理論における感度分析・摂動解析に関する興味深い結果が得られている. H∞制御から導出される行列不等式問題において, 対応する制御システムが安定な不変零点を持つ場合, 係数の微小摂動で最適値が大きく変化する現象が数値計算で見られた. これを感度分析・摂動解析の観点から定式化することで, 面的縮小法との密接な関係を見出した. 現在この内容について, 関口先生(東京海洋大)と論文としてまとめている段階である. また, 特定の制御システムに対するH∞制御問題に対して, closed-formで最適値を構成する方法を, 蛯原先生(京都大), 瀬部先生で提案している. これについても現在論文としてまとめている.「 H∞制御から導出される行列不等式問題の解析」に対する面的縮小法という視点では, 大きなターニングポイントに到達したという感じがしている.
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