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2015 年度 実施状況報告書

反応拡散系パターンの自己組織化機構を用いたメッシュ生成法の発展

研究課題

研究課題/領域番号 26400213
研究機関明治大学

研究代表者

上山 大信  明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20304389)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード反応拡散系 / メッシュ生成 / パターン形成 / 偏微分方程式 / 数値解析 / 国際研究者交流
研究実績の概要

本研究は反応拡散系のパターン形成における自己組織化機構を、数値シミュレーション等で利用されるメッシュの生成に応用するものであるが、その為には、反応拡散系の自己組織化機構の理論的な背景を知ることが重要となる。本年度は、特に自己組織的に形成されるパターンについて、外的擾乱(ノイズ)がパターン形成に対してどのような影響を与えるかを数値シミュレーションと化学実験系から検討した。過年度に既に公表済みの結果を、具体的に本研究で用いる偏微分方程式系に適応することから、特に3次元パターンの形成過程に対するノイズの影響を検討した。
また、本研究は広い意味での Unconventional computing の研究であり、その分野の研究者との研究交流を行い、本研究のコンセプトを実際の化学反応系で実現する可能性などを検討した。メッシュ生成において、その種となるパターン形成自体については自己組織的なプロセスであり、問題点としてはそのプロセスを得るための計算コストが問題の大きさおよび時間的な二つも面から大きいということであるが、それらの技術的な問題はアルゴリズムの検討、適切な機器の利用で解決可能であると考えている。しかしながら、その後のパターンからメッシュを作る過程において、現状のデローニ三角形分割法を用いた方法は再考の余地があると考えられる。特に、自己組織化過程が時間発展的であり、スポットの増加が主に周縁部で行われることを考慮したメッシュの追跡生成の検討が必要であるが、その根拠となる研究・具体的なアイデアがない状況である。そのような状況の中で、化学反応系を用いた Unconventional computing に関わる研究にそのヒントを求めている。直接活用可能な成果は現状得られていないが、新たな研究者ネットワークの確立が進み、今後当該分野から新たなブレイクスルーのヒントとなるアイデアが得られることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究において、空間二次元メッシュの生成に関しては、基本的なアルゴリズムは完成している。しかしながら、空間3次元への拡張は容易ではなく、本手法において必要となるメッシュ生成の為の数値計算のコスト削減が大きな課題である。その中で、GPGPUを用いた数値計算は大いに期待されるものであるが、ボード上のメモリーが比較的小さく、またボード上のメモリーが大きい機種に関しては予算内での購入が難しいことが判明した。また、パターン形成の安定化、加速化にノイズが重要であると考えられるが、ノイズを導入した計算システムについて、GPGPUシステムのアドバンテージが活かせるかどうか検討が必要となった。これらのことから、GPGPUではなく、通常の並列処理を用いたシステムへの変更を検討する必要が出、予算内に収まるシステムの検討を進めている。状況によっては、アルゴリズムの大幅な再検討が必要となり、新たなシステムの購入を含めた慎重は検討を行っている為。

今後の研究の推進方策

現在、安価なGPGPUシステムの並列システムまたは、通常のCPUを用いた並列システムの両面から、研究の仕上げに向けたシミュレーションシステムの検討を行っている。実際の応用活用を考えるならば、一般的なシステムの方が好ましいと考えられるが、計算スピード等の関係や、GPGPUコンピューティングが一般的になりつつある状況もあり、慎重な検討が必要である。今後は、速やかにシステムの選定を行い、システムの導入を行い、計画の進行を加速する。また、システムの導入までには基礎的なアルゴリズムに検討部分があるため、独立してその研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたGPGPUシステムの構成では、3次元計算においてはメモリーが不十分であり、システム全体の構成変更の慎重な検討が必要となった為。

次年度使用額の使用計画

当初予定していた単体のGPGPU機器ではなく、並列的動作を前提とした安価なGPGPU機器による並列化または旧来のCPU機器による並列化のどちらかのシステムを早急に選択し調達の上、研究を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Maze solving using temperature-induced Marangoni flow2015

    • 著者名/発表者名
      Petra Lovass, Michal Branicki, Rita Toth, Artur Braun, Kohta Suzuno, Daishin Ueyama, and Istvan Lagzi
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 5 ページ: 48563-48568

    • DOI

      10.1039/C5RA08207B

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Mechanism of spontaneous spiral formation on heterogeneous discretized excitable media2016

    • 著者名/発表者名
      Daishin Ueyama
    • 学会等名
      GDRI ReaDiNet Stochastic PDE's, Large Scale Interacting Systems and Applications to Biology
    • 発表場所
      University Paris-Sud
    • 年月日
      2016-03-09 – 2016-03-11
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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