本研究の目的は、最近数値計算で発見された、自転する星のもつ特異な固有振動モード、ロゼット・モードの性質を理論的に調べることであった。主な成果は、(1)モード形成の物理機構の解明、および(2)現実の星における観測可能性を示したことである。まず、(1)については、自転のない場合に、非常に近い固有振動数を持つ複数のモードが、自転によって生じるコリオリ力の影響で相互作用することで、ロゼット・モードの特異な構造が出現すること示した。一方(2)については、恒星進化モデルに基づく数値計算を実行し、一部のB型主系列星で実際にロゼット・モードが励起される可能性のあることを示した。
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