研究課題/領域番号 |
26400225
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
西 亮一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80252419)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 位置天文衛星 / 大質量星 |
研究実績の概要 |
位置天文衛星を用いてオリオン領域の大質量星形成過程の研究を行うための準備段階の研究を行った。内容は大きく分けて以下の3点にまとめることができる。 1.日本のJASMINE衛星グループとの研究打ち合わせとJASMINEサイエンスワーキンググループを中心としたサイエンス検討 2.Gaia衛星およびHIPPARCOS衛星などのESAの位置天文衛星グループとの研究打ち合わせ 3.大質量星形成過程についての物理過程の検討 1.近い将来に打ち上げ予定のNano-JASMINEを中心としたJASMINE衛星グループと観測精度やデータ公開方法などについて詳細に打ち合わせを行った。また,良いサイエンス結果を得るために,データ処理方法や他のカタログとのマッチングなどについての要望も行った。そして,世話人代表としてNano-JASMINEサイエンス検討会を2回開催し,全国の研究者とNano-JASMINEを用いたサイエンス研究についての検討を行った。 2.位置天文衛星で世界をリードするESAのグループと研究打ち合わせを行った。世界最初の位置天文衛星HIPPARCOSと現在観測中のGaiaのデータは非常に貴重であるが,日本の位置天文衛星を用いたサイエンスグループの代表として,Gaiaのメンバーに加わり,データ公開などを議論するCU9のPlenary meetingに出席して日本のサイエンス検討状況を報告しGaiaのデータ公開方法についての要望を伝えた。またGaiaの観測状況とデータ解析の展望とNano-JASMINEとの関係についての議論にも参加した。なお,この会合への参加にはJASMINEグループからの補助を受けた。 3.大質量星形成過程およびその影響などについての研究を進め,また位置天文衛星のデータからの恒星および恒星系の物理量の解析方法についての研究も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究自体は順調で当初の目的以上の成果も見込める可能性があると期待しているが,位置天文衛星のデータリリースの問題から,時間的には遅れが生じつつある。 主としてデータを用いる予定であったNano-JASMINE衛星が,ブラジルのアルカンタラ発射場の整備遅れのため打ち上げが遅れている。そのため,実際のデータを用いた研究には遅れが生じる。ただし,Gaiaのメンバーに入ったことにより,ESAとの共同研究は大きく進展すると考えている。Gaia衛星はNano-JASMINE衛星よりはるかに高精度であり,より多くの詳細なデータを用いた研究を実行できる。しかし,打ち上げ後の衛星の観測的な安定性に問題が見つかったことや,観測データが莫大であるために最終カタログのリリースまでは時間がかかる。そのため研究進行には少し時間がかかる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
現在観測実行中のGaia衛星のファーストデータリリースはH28年夏の予定である。また,Nano-JASMINI衛星の打ち上げおよびデータリリースも近い将来に行われるはずである。H27年度はそれらのデータを用いたオリオン領域の大質量星形成過程研究のための準備を行う。基本的にはH26年度と同じく,以下の3課題が中心となる。 1.日本のJASMINE衛星グループとの研究打ち合わせとJASMINEサイエンスワーキンググループを中心としたサイエンス検討 2.Gaia衛星およびHIPPARCOS衛星などのESAの位置天文衛星グループとの研究打ち合わせ 3.大質量星形成過程についての物理過程の検討 加えて,H27年度はオリオン巨大分子雲についての電波観測とその解析の研究も進めて,大質量星形成領域の物理状態の解明を目指していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Gaia CU9 Plenary meetingへ出席するための旅費に対しJASMINE衛星グループから補助を受け,JASMINE衛星に直結する内容と本研究課題関連の内容を口頭で講演した。また,その場で必要な情報収集などができた。およびNano-JASMINEの打ち上げとGaiaのデータリリースが予定より延期されたことが大きな理由で,海外出張の旅費を使用しなかった。また,2月3月の国内旅費がまだ積算されていない。
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次年度使用額の使用計画 |
一部分は2月と3月の国内旅費にすでに使用済みである。また,GaiaのデータリリースをH28年度に控えて,Gaiaグループを中心としたESAの研究者との研究打ち合わせを加速する必要があり,そのための海外旅費に使用する計画であるし,すでに国際会議の出席も予定している。研究遂行は時間的には少し遅れ気味であるが順調に進む予定なので,今後,繰り越した研究費も順調に使用していく必要がある。
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