研究課題
基盤研究(C)
ヨーロッパ宇宙機関による位置天文観測機Gaiaの2回目の公開データを用いて、オリオン領域の星形成過程についての解析を行った。まず、H-R図(色-等級図)を描くことにより、若い前主系列星を選別した。それらの星について天球面上での位置の変化に着目することにより、若い前主系列星は、天球面上での相対運動が非常に小さいことを発見した。これらの結果は、オリオン領域のような大質量星形成領域での予想と異なり、かなり静かな星形成過程を示唆している。
天文学
大質量星は非常に明るく輝き、周囲の星間雲への影響が大きい。そして、銀河系の進化を考える上でも重要である。しかし、その形成過程はまだまだ理解が不十分である。そこで、近傍の大質量星形成領域であるオリオン広領域での星形成過程についてこれまでと異なる手法による研究結果は重要である。また、その結果は大質量星が連鎖的に形成されるというモデルの予想とは異なっており、新たな形成モデルの構築の必要性も明らかになった。