古典的限界を超えてコンパクト天体にガスが降り積もる「超臨界降着」という現象がある。われわれはこの問題に先駆的な輻射流体シミュレーションにより取り組み、ブラックホールの宇宙論的成長過程に関わる以下の課題に取り組んだ。1.輻射フィードバック効果によりブラックホールから中性ガスアウトフローが噴出することを発見し、2.コンプトン散乱により変形されたX線スペクトルを計算して謎とされた特異な硬X線観測スペクトルを説明し、3.バイナリーブラックホールの超臨界降着シミュレーションを実行した。また派生した話題として強磁場中性子星への超臨界降着シミュレーションを実行し、超高光度X線パルサーの正体を明らかにした。
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