研究実績の概要 |
(1)2015年度に中国雲南天文台撫仙湖太陽観測所のNVST太陽望遠鏡を用いて行った黒点の微細構造の解析を引き続き行った。対象としたのは、a)黒点内部のアンブラル・ドットとよばれる構造の熱的・動力学的構造の解明である。この構造は黒点暗部での対流が起源と考えられているが、その上空の彩層部の構造が解明されていなかった。実際、アンブラルドットの対応する上空彩層輝点が伴うこともあるが、その他に上空のコロナからガスが降り注いで彩層を加熱することによってできている彩層輝点があることが分かった。現在さらに詳細研究を行って論文にまとめつつある段階である。そのほかにも、b) 黒点半暗部でのジェット現象を捉えることに成功した。我々の観測データでは、そのジェット運動を3次元的にとらえることができるものである。この解析のまとめを進めている最中である。更には、c)当該観測の際に観測に成功したフレア発生を引き起こすフィラメント爆発現象の解析も行った。この成果は、Hagino, M.; Ichimoto, K.; Ueno, S.; Kimura, G.;Otsuji, K.; Kitai, R. et. al.,"Development of the Universal Tunable Filter and High-resolution Imaging Observation with the Fuxian Solar Observatory",Coimbra Solar Physics Meeting ASP Conference Series, Vol. 504., 2016, p.103として公表した。(2)2016年度も、NVST望遠鏡で日中共同観測を行い、エラーマンボムの高空間分解観測を実施することに成功した。逐次解析中である。
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