研究課題
将来のリニアコライダー実験でthreshold近傍の全断面積の測定からトップクォークのMSbar質量を30MeV精度で原理的に測定可能であることを理論的に示した。その際、他のグループが提唱しているPS質量を経由する方法を使うと精度が悪くなること、またその原因を指摘した。同様の方法でボトモニウム、チャーモニウムのスペクトルからボトムクォーク、チャームクォークのMSbar質量を高精度決定した。(これらのm_cとm_bの新しい研究成果は、2016年版Particle Data Groupに最新の解析結果として採用された。)一方で、``Weight function method"によるLHCでのm_t決定のNLOシミュレーション解析が完了間近である。最新の解析結果は川端氏によって国際会議で報告された。一方でATLAS実験グループと、この方法を用いたm_t測定の共同研究が進行中である。LHCトップクォーク理論専門家グループは近々NNLOのfully differentialな解析を開始予定であるが、それを用いたm_t決定に向けて実験家と協力している。また私は2016年からParticle Data Groupのトップクォーク部門担当(encoder)に正式に任命され、著者として加わった。2016.4には国際会議”Loops and Legs”にて招待講演を行ない、クォーコニウムスペクトルからのクォーク質量決定に関する研究成果を発表した。2016.8にはILC夏の合宿にて招待講義を行ない、トップクォークとQCDに関する物理の現状についてレヴューした。2017.3には日本物理学会にて招待講演を行ない、クォークの質量決定に関する総合報告を行なった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件)
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