本研究課題においては、最新の精密宇宙観測及び素粒子理論に基づき、インフレーション宇宙に関する研究を行った。大きな研究成果としては、「ビッグバン元素合成に基づく標準模型を超える物理の研究」および「電弱真空の安定性に関する研究」があげられる。前者については、川崎雅弘氏および郡和範氏と共同研究を行い、長寿命粒子の性質に関する制限を得た。 また、後者に関しては、遠藤基氏、野尻美穂子氏、庄司祐太郎氏とともに、不安定な真空の崩壊の崩壊率のゲージ不変な計算方法を確立した。さらにそれを用いて、庄司祐太郎氏および千草颯氏(東京大学)とともに、素粒子標準模型における電弱真空の崩壊率を高い精度で計算した。
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