「自発的対称性の破れ」とは南部陽一郎のノーベル賞に結びついた概念で、 宇宙・素粒子・物性・原子物理などの幅広い分野で現れる。しかし、今まですべての分野で通用する定量的な定式化がなかった。本研究では、ギャップのない南部・ゴールドストーン粒子がいくつ、どのような性質で現れるのかについて、 有効場の理論を使って一般論を確立した。また、ゲージ化された対称性の場合についても考察し、空間の回転対称性が破れる可能性を指摘した。そして宇宙の暗黒物質や、素粒子の標準模型への応用も展開し、有効場理論の構築について、共形微分展開という新しい手法を提案した。さらに、超対称性が破れる新しい機構を提案した。
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