研究実績の概要 |
1)ラージN極限での volume independence の非摂動論的研究 平成25年度までの研究では格子サイズが1の4乗の格子上での、ツイストされた時空縮約モデル(TEK-model)を考えたが、本年度はさらに一般的な時空縮約理論を考えた。SU(N)ゲージ理論で、NをL'の二乗とする。ここL'は正の整数である。格子点がLの4乗の格子理論を考えると、ラージN極限で理論はLL'にしか依存しないことが、摂動論の範囲内で示されている。本年度はこの volume independence と呼ばれる現象を、数値シミュレーションにより非摂動論的に研究した。具体的には、L=1,2,4 の場合にL'を色々にとり、L'が大きい時、Wilson loop の期待値が、LL'にしか依存しないことを確かめた。これにより、volume independence が非摂動論的に確かめられたことになる。
2)Wilson flow法を用いたステップスケーリング関数の解析 理論の固定点の研究をする最も直接的な方法は、結合定数のスケール依存性を調べることである。本年度は、TEK-modelでこの研究を行った。具体的には、結合定数のスケール依存性を記述するステップスケーリング関数をWilson flow法を用いて非摂動論的に計算した。ステップスケーリング関数は高エネルギー領域では、2ループからのベータ―関数で支配されており、低エネルギー領域では、これから優位にずれることがわかった。
|