| 研究課題/領域番号 |
26400254
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| 研究機関 | 国際医療福祉大学 |
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研究代表者 |
岡村 直利 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (40402812)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | ニュートリノ物理 / ニュートリノ振動 / 素粒子理論 |
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| 研究実績の概要 |
ニュートリノ振動に関係する物理量の内、「質量階層性の構造」と「CP位相の値」の2個が、現在、未測定物理量として残っている。また、「最大混合角であるθ23の値が45度からどれだけ離れているか」が、測定精度の向上が望まれる物理量としてあげられる。
本研究では、これまで申請者を含むグループが提案してきたT2KK実験・T2KO実験（T2K実験で使用している東海村にあるJ-PARCからのニュートリノビームを韓国南部や隠岐の島で観測し、それらでの観測結果をT2K実験の結果に加えて解析することで未測定量の測定する実験提案）について、これまでの解析を発展させ、ニュートリノビームの標的となる原子核の内部構造や核子共鳴の影響、中性カレント反応で生成される中性π中間子からの背景事象等を考慮に入れた、より現実的な条件下で、これまでの解析がどの程度修正されるのか、評価を行っている。また、ニュートリノビームの照射時間のうち、一定時間を反ニュートリノビームに置換することで、T2KK実験やT2KO実験の物理能力がどの程度向上するのか、照射時間の最適化やその物理的理由の解明まで含めて解析を行っている。
これまでの研究の結果、ニュートリノと反ニュートリノの照射時間をほぼ同じにすると、T2KK実験では3σ以上、T2KO実験では1.7σ以上で階層性が特定できることが分かった。また、CP位相は同条件でどちらの実験でも誤差20度から50度程度で特定可能であることが分かった。ニュートリノの照射時間を少し長めにすると、イベント数の関係からより良い結果が出やすいことも分かった。これらの研究成果は論文として発表し、学術雑誌に受理されている。
また、本研究に関連して、T2HKK実験が実験研究者の間で検討されており、実際に実地される可能性もある。本研究の結果はそれら将来計画立案の際に基盤となると期待している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画の主目的である解析は終了し、論文として発表・投稿し、受理された。
ここまでは概ね予定通りであるが、本研究の詰めとして、J-PARCと韓国・隠岐の島間の地質構造を解析に加えて、物理能力の再評価を行い、現在の結果に大きな影響がないことを確かめる予定となっている。しかし、最終年度である現在、地質構造の評価が途中であり、論文にまとめる段階にない。よって、予定より遅れていると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
T2KK実験やT2KO実験の物理能力の高さは、ニュートリノ・反ニュートリノビームとJ-PARCと韓国・隠岐の島の間の物質（地殻）との相互作用に起因することが、これまでの我々の研究から明らかになっている。
そのため、地殻構造の不定性や不均一性等が物理能力に影響を与えると推定でるので、今後は地殻構造を精査し、T2KK実験/T2KO実験の物理能力に対する影響を評価する。
地殻構造の詳細な構造は分からない部分があるので、地表の形状などから、その構造を類推する必要があり、そのための情報収集を行っている途中である。今後は収集結果を踏まえて、数値計算プログラムを作成し、その精度をmathematica等の信頼できるプログラムで確認しつつ、実際に計算を行っていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
数値計算に必要なソフト（約20万円）を購入し、現在年度を超えての精算待ち。
また、計画していた国内学会への未参加分が繰り越しとして残っている。
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| 次年度使用額の使用計画 |
既に購入し使用しているソフトの精算（約20万円）、申請者・もしくは共同研究者が国際会議に参加予定（約40万円）、国内での学会・研究会に参加等既に使用予定がある。
また、必要に応じて計算機サーバーを購入予定。
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