素粒子物理の最重要課題は、現在の標準理論では記述できない新物理を探索し、新しい基礎理論を構築することである。クォークのフレーバーが変わる素粒子反応、即ちフレーバー物理は、新物理について多くの知見をもたらすと期待されている。本研究では、国内外で行われている精密実験と協力して新物理を探索することを目指し、フレーバー物理の理論研究、特にセミレプトニック崩壊を記述する形状因子を計算した。この物理量は解析的に計算することが難しい。そこで、時空格子上に定式化された格子量子色力学の数値シミュレーションによって、K、D、B中間子の形状因子を計算した。特に、対称性を正しく保つことにより、高精度計算を実現した。
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