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2014 年度 実施状況報告書

重力波を用いた修正重力理論の検証に向けた摂動的計算法の一般化

研究課題

研究課題/領域番号 26400262
研究機関弘前大学

研究代表者

浅田 秀樹  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (50301023)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード重力理論 / 重力波 / 宇宙物理
研究実績の概要

弱い相互作用においては、K中間子を用いた実験から「パリティの破れ」が知られている。果たして、我々の宇宙における重力相互作用においても 「パリティの破れ」があるのか?これは、四つの相互作用の統一および超弦理論等に対して、重力研究から示唆を与えるうえで重要な課題である。
重力相互作用に関して言えば、アインシュタインの一般相対性理論が最も成功している理論であり、 この理論はいわゆるアインシュタイン・ヒルベルト作用に基づくため、パリティの破れを予言しない。1980 年代に、Witten がストリング理論における研究から、また、Ashtekhar らが量子重力理論の研究から、独立に、チャーン・サイモン型の作用が重力に存在する場合の有用性を論じていた。このチャーン・サイモン型の作用は、陽にパリティを破っている。
準備段階として、浅田らは、中性子干渉計を用いたチャーン・サイモン型の修正重力への可能な制限を明らかにした(Okawara, Yamada, Asada, Phys. Rev. Lett. 2012; Phys. Rev. D 2013)。この研究を、今回、サニャック型の光学干渉計に応用した理論計算を行なった。結果として、現段階では従来のチャーン・サイモン修正重力への制限には及ばないものの、近い将来の技術革新でより強い制限を課す事が可能になることを明らかにした。特に、動的な理論模型への制限および峻別が、サニャック干渉計の方が有利となる点を示せた(Kikuchi, Omoto, Yamada, Asada, Phys. Rev. D 2014)。
今後は、本研究成果の重力波干渉計への応用を検討したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

区分の理由は、初年度の目的である、パリティ破れ起源の干渉の大きさを評価する計算手法を与えることができたためである。

今後の研究の推進方策

当初の予定の通り、地上の重力波検出器を用いた場合の理論計算および検討を行なう。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件)

  • [雑誌論文] Possible altitudinal, latitudinal, and directional dependence of the relativistic Sagnac effect in Chern-Simons modified gravity2014

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kikuchi, Naoya Omoto, Kei Yamada, Hideki Asada
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 90 ページ: 064036(6pages)

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.90.064036

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Gravitational lensing in Tangherlini spacetime in the weak gravitational field and the strong gravitational field2014

    • 著者名/発表者名
      Naoki Tsukamoto, Takao Kitamura, Koki Nakajima, Hideki Asada
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 90 ページ: 064043(10pages)

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.90.064043

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Negative time delay of light by a gravitational concave lens2014

    • 著者名/発表者名
      Koki Nakajima, Koji Izumi, Hideki Asada
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 90 ページ: 084026(7pages)

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.90.084026

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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