研究実績の概要 |
アインシュタインの一般相対性理論およびその修正理論に関する摂動計算法の検討を継続した。具体的な成果は以下の通りである。 一般相対性理論からの修正を探るうえで、3体系が有効である事をNordtvedtが1970年代に提唱している。しかし、その非線形性による複雑さのため、首尾一貫した近似のもとでの詳細な計算はこれまでなされて来なかった。特定のモデル計算の例として、一般質量比のラグランジュ軌道にある3体系の一般相対論的な安定性解析にはじめて成功した(Yamada, Tsuchiya, Asada, PRD91, 124016, 2015)。 また、重力波観測で最重要なターゲットはコンパクト連星であることが、LIGOチームの重力波初検出によって明確になった。こうした天体における最内安定円軌道の研究に対して、代数学における「スツルムの定理」を適用して解析を簡単化する手法を提案した(Ono et al. Europhysics Letters 2015)。この手法の更なる発展が大いに期待される。
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