研究実績の概要 |
1) H26年度に、Brueckner Hartree-Fock理論を用いて、カイラル有効理論に基づく核力(2体力+3体力)から、核内有効核力(密度依存2体力)を数値的に導出した。H27年度は、この数値的核内有効核力を、3つのガウス関数の和で表記することに成功した。また、核子弾性散乱と3,4He弾性散乱を調整パラメータなしに記述する模型「double folding model+target density approximation」を考案した。H28年度は、この「実用的カイラル有効核力」と「double folding model+target density approximation」を用いて、3核子力効果が核子弾性散乱より3,4He弾性散乱に顕著であることを定量的に示した。この模型の結果は、高エネルギーの核子散乱を除いて、実験を良く再現する。 2) H27年度は、最近実験されたMg同位体の反応断面積から、double folding modelを用いて、Mg同位体の半径を系統的に決定した。特に、37Mgが変形ハロー核であることを示した。ハロー核のハロー性を定量化する量Hを考案した。H28年度は、このHが弱束縛の極限で1になり、スケール不変であること示した 3) H27年度に考案したハドロン・クォーク2相模型を用いて、H28年度は、2倍の太陽質量をもつ中性子星中でクォーク相が実現するためのGV(クォーク模型におけるベクター型クォーク間相互作用の強さ)の上限値を決定した。
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