| 研究課題/領域番号 |
26400282
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| 研究機関 | 立教大学 |
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研究代表者 |
原田 知広 立教大学, 理学部, 准教授 (60402773)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 一般相対論 / ブラックホール / 重力崩壊 / インフレーション宇宙論 / 原始密度ゆらぎ |
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| 研究実績の概要 |
宇宙の物質優勢期の原始ブラックホールの非球対称的な形成について研究を行った。具体的には、Khlopov and Polnarev (1980)による解析を柳哲文助教（名大）とともに再検討した。その結果、彼らの解析はその当時の解析手法の適用としては妥当だが、部分的にニュートン重力の解析に頼っていたりしているため、現在の数値相対論を適用すれば新たな結果が得られる可能性があるという結論に至った。また、Jhingan教授(Jamia Millia Islamia)とともに完全に一般相対論的な取り扱いに向けての研究に着手した。さらに、原始ブラックホールの形成条件として長年の課題となっている分離宇宙条件について、最近の指摘も取り込んで新たな知見を得て、さらに加速膨張宇宙における分離宇宙条件についても考察した。この研究はCarr教授(Queen Mary University of London)と共同で行い、Carr and Harada (2015)としてPhysical Review誌に掲載された。これと平行して、物質の状態方程式を一般的にしたときに、宇宙論的初期密度ゆらぎとして宇宙論的長波長解の構成を対称性を仮定せずに行った。そして、得られた長波長解を球対称系に適用して、それを初期条件とする宇宙論的な一般相対論的数値シミュレーションを行なって、原始ブラックホール形成臨界を、様々なゆらぎの分布に応じて計算した。そして、既存の研究結果を統一して一貫した説明を与え、地平線突入時の密度ゆらぎの臨界値を与える解析公式が数値計算結果と良い精度で一致することを示した。これらの研究は、柳助教、中間智弘氏（東大）、古賀泰敬氏（立教大）と共同で行った。その結果は論文としてまとめ、Harada, Yoo, Nakama and Koga (2015)として査読を経てPhysical Review誌に掲載が決定された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画通り研究が進んだ。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に基づいて一般相対論的かつ宇宙論的な一貫した新しい方法によって、物質優勢期の原始ブラックホール形成条件と形成率を求めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航費用が当初の見積りより少額に収まったことと、海外からの招聘の対象であった海外研究者が他機関の招聘により来日し、その機会に本研究に関する共同研究をすすめることができたので、改めて本予算での招聘が不必要になったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
本年度は当初の予想よりも重要な国際会議や国際研究集会が多い。その内の一つないし二つには参加予定であるが、研究代表者が出席できない国際会議にも研究協力者に本予算から旅費を支出して出席してもらうなどする計画である。
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