軽い核の励起状態にはα粒子をサブユニットとしたαクラスター状態が発現する。その典型例は12C の「3αクラスター状態」である。3α状態の核半径は、基底状態よりも顕著に増大すると考えられているが、その寿命は約10垓~100億分の1秒であるため、核半径の実験的測定は絶望的であった。 本研究では、核反応の空間サイズを特徴づける「散乱半径法」の定式化とα+12Cの非弾性散乱へ適用を行い、終状態に生成される3α状態の核半径の評価を行った。散乱半径は終状態が生成される空間半径を表すものであり、終状態の核半径を反映する。本研究により、3α状態の核半径は基底状態よりも約1fm程度増大していることを実証した。
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