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2016 年度 実績報告書

高運動量二次粒子ビームのための粒子識別検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26400289
研究機関京都大学

研究代表者

成木 恵  京都大学, 理学研究科, 准教授 (00415259)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードハドロン物理学 / バリオン分光 / ハドロン生成 / ハドロン反応
研究実績の概要

本研究は、J-PARCハドロン実験施設の高運動量ビームラインで供給される二次粒子を用い、ストレンジネスを二つ有するΞ(グザイ)粒子分光研究のための検出器開発を主眼としている。当該ビームラインでは、非弁別の二次粒子、π中間子、K中間子、反陽子等が生成され、従来の10倍高い20GeV/cまでの運動量を持つ粒子を輸送することが可能である。特に4GeV/c程度のK中間子を用いると、これまで系統的な研究が難しかった断面積の小さいΞ粒子生成が現実的になる。このため、ビーム粒子を識別するリングイメージング型チェレンコフ検出器を新たに開発した。
K中間子をビームとして用いる場合、π中間子がK中間子の3桁程度多く生成されることから、K中間子を能動的に検出し、大量のπ中間子を除去することが重要となる。運動量のそろったビーム粒子に対してはチェレンコフ光の発生角が粒子の質量に依存することを利用し、πおよびK中間子を識別する。本研究では、屈折率が1.05のエアロジェルを用い、発生したリングの分布をMulti-Pixel Photon Counter(MPPC)で検出するイメージングチェレンコフリング検出器を試作した。
粒子識別のために最も重要な性能となる角度分解能を測定したところ、3ミリラジアンという結果を得た。運動量4GeV/cでπとK中間子の識別に必要な角度分解能は23ミリラジアンである。従って、十分な角度分解能を得ることができたと言える。また、光速の粒子に対して得られた光量は10光電子であった。K中間子の場合には2割程度光量が減ることを考慮しても光検出に必要な光量が得られることを確認した。本研究によって、Ξ粒子分光に必要なビーム粒子識別検出器の原理を検証することに成功した。今後、当該施設のテストビームライン等が整備された暁には、レート耐性および実際の二次粒子を用いた性能評価を行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Search for Pentaquark Θ+ in Hadronic Reaction at J-PARC2016

    • 著者名/発表者名
      M. Naruki for the J-PARC E19 Collaboration
    • 雑誌名

      Acta Physica Polonica B

      巻: 47 ページ: 385-390

    • DOI

      10.5506/APhysPolB.47.385

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Ξ Baryon Spectroscopy with Kaon Beams2016

    • 著者名/発表者名
      M. Naruki
    • 学会等名
      International Conference on the Structure of Baryons
    • 発表場所
      Tallahassee, Florida, USA
    • 年月日
      2016-05-16 – 2016-05-20
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] Xi baryon spectroscopy at J-PARC High-p beamline

    • URL

      https://wiki.kek.jp/display/e19/Xi

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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