本研究はT2K実験におけるニュートリノの酸素原子核との反応で発生する脱励起ガンマ線の測定により、これまで測定されていなかった中性カレント準弾性散乱反応を高精度で測定することである。初年度にはこの反応を世界で初めて測定することに成功した。しかしその測定誤差は大きく、本研究では最も大きな中性子の水中での反応による誤差を低減するために、中性子ビームを用いた全く新たな実験を提案し、遂行した。これまで中性子と水との反応は系統的に理解されていなかったが、本研究により反応断面積や発生するガンマ線のエネルギーの測定に成功し、その理解が格段に進んだ。
|