研究課題
基盤研究(C)
III-V族半導体の価電子帯の電子を伝導帯に励起すると、数Kの低温下で、動的自己核偏極(DYNASP)と呼ばれる、大きな核偏極が相転移的に起きることが理論的に示されている。我々は、DYNASP現象を原子核研究等に適用するため、理論および実験研究を進めてきた。理論研究では、半導体中の自身の核偏極と伝導電子の偏極に加え、外部磁場の影響を取り入れた関係式を導出した。実験研究では、InP半導体において、In核が、2.3K以下で大きな核偏極が生じることを確認した。しかし、これがDYNASP現象を実証するものであると結論づけるには至らず、DYNASP理論の拡張を含め検証を進める必要があることがわかった。
原子核(実験)