室温で電荷受容体と共にあるCdS量子ドット中の電子スピンの回転を時間分解ファラディ回転により研究した。電子スピンの回転はファラディ回転信号中に振動成分を持ち、磁場に比例した振動周期は電子のg因子=1.965±0.006を与えた。非振動成分は、励起子から出現し、正孔受容体があると減衰が速くなった。CdS量子ドットがTiO2電子受容体に結合すると電子スピンの回転信号は増強されスピン緩和時間は室温でもT2*=450psまで長く続いた。電子スピンの回転は正のトリオンへの光励起遷移により開始される。これらの結果は過渡的に正孔をドープすると量子ドット中の電子スピンの回転信号が増強されることを明確に示す。
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