階層性を有する元素のテルルのナノ粒子は、金属・IV族元素のナノ粒子とは異なる特徴を有する。テルルナノ粒子の構造の特徴は、(1)共有結合で作られたテルル鎖が残存しつつ、共有結合が強くなる、(2)2次構造の鎖間相互作用が崩壊していくことなどである。これらの特徴を明確にするために、液体窒素温度でのテルルナノ粒子作製、ポリエチレングルコールへの蒸着によるテルルナノ粒子作製など、種々の方法でより小さなテルルナノ粒子を作製した。その結果、共有結合長が0.1Aほど著しく短くなるなど、その特徴が鮮明になった。テルルナノ粒子化にともなって、基本構造間の相互作用が崩壊し、テルル鎖が孤立鎖的になると考えている。
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