物質の磁性情報を取得できる磁気光学カー効果(MOKE)について、プローブ光の波長を吸収端に合わせるとカー回転角が通常の可視光測定に比べて何10倍も大きくなることを我々は発見した(共鳴磁気光学カー効果, 共鳴MOKE)。この方法は元素選択性や大きな磁性信号、そして超高速時間分解測定の可能性が高いことから、本研究では分析法としての技術開発を行った。その結果、自由電子レーザーなどの次世代超短パルス軟X線源と組み合わせることで、化合物磁性体の超高速スピンダイナミクスを元素選択的に追跡するができ、さらに厚さ< 1nmのFe超薄膜を含むヘテロ構造体におけるFe スピンのフェムト秒時間分解測定に成功した。
|