研究課題/領域番号 |
26400329
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三田村 裕幸 東京大学, 物性研究所, 助教 (60282604)
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研究分担者 |
榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 三角格子反強磁性体 / スピンカイラリティ / マルチフェロイック / パルス磁場 / 電気分極 / 焦電法 / 幾何学的スピンフラストレーション / ハイゼンベルクスピン |
研究実績の概要 |
平成27年度は、当該研究の成果について幾つかの発表を行なった。まずは、平成26年度末に本研究に関する解説記事を寄稿した(平成26年度研究実施状況報告書参照)東京大学物性研究所広報誌「物性研だより」第55巻第1号(p. 4-7.)が公開された。国際会議の発表は11th International Conference on Research in High Magnetic fields (RHMF 2015, 2015年7月2日, フランス/グルノーブル)にてポスター発表を行ない、20th International Conference on Magnetism (ICM2015, 2015年7月7日, スペイン/バルセロナ)にて口頭発表を行なった。後者についてはproceedingsを執筆し学術雑誌に掲載された(J. Magn. Magn. Mater. 400 (2016) 70-72.)。また、本研究に関する詳細な解説記事を執筆し雑誌「固体物理」2015年12月号のトピックス欄に掲載された(固体物理50(2015)821-832.)。 本年度はこの研究課題に関する現象が起きる物質の2例目についても前年度に続き探索を行なった。幾つかの候補は見つかっていて、本研究予算により原料を購入しその単結晶試料の作製に取り組んではいるが、今のところ成功していない。 平成28年度も引き続き当該現象が起きる物質の候補の探索を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学術的議論としては平成26年度に本研究予算により行なった中性子散乱実験により申請者の予想が正しいということで決着が着いたものの、2例目を確認するという当初目的が達成されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も引き続き当該現象が起きる物質の候補の探索を続ける。良い試料が出来た場合は諸々の予備測定を行ない、パルス磁場中の電気分極測定を行なう。首尾よくスピンカイラリティ由来の強誘電性が確認されたら、速やかに学術雑誌にその内容を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該研究テーマの候補となる試料作製が予定通りに行かず測定に入れなかったので、実験に必要な寒剤代等が未消化のため。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き試料作製を行ない実際の測定に入ることで、寒剤等の費用が必要となる。
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