研究課題
希土類を含む金属間化合物の第一原理電子状態において、十分に根拠がありしかも実用的な f の取り扱い方法が存在しない。オープン・コア近似をLDA/GGAと併用することが多いが、第一原理からは程遠い。本研究では。局在化した f 電子の状態を記述するために、自己相互作用補正(SIC)を適用する方法と、最適化有効ポテンシャル(OEP)を用いる方法を開発した。最終年度において、これまで手がつけられていなかった、有効ポテンシャルの角度部分の効果を取り入れる手法を開発した。 f 軌道に対しては占有軌道と非占有軌道の間の軌道の大きな分裂がおこり、この効果が有効ポテンシャルに入っていることが必要である。有効ポテンシャルは局所ポテンシャルであるから、この効果は角度部分が担わなければならず、この点が前年度までには完成できていなかった。そのためOEPを用いた時にも期待した効果を得ることができなかった。最終年度において、角度部分に対する有効ポテンシャルの開発を行い、初歩的な段階ではあるが、そのコード化を進めた。研究期間全体を通して得られた成果として、SICの新しい定式化を行った。SIC はユニタリー不変ではないために軌道の選び方に任意性が残る、新しい定式化では交換相関エネルギーを結合定数による積分の形で書き、その結果を積分の端点での値の1次結合で近似する。これによってFilippettii流のSICの表式を得ることができた。ただし1次結合の定数は Filippettii 流の0.5とは限らない。ハイブリッドDFTの例にならって、これを0.25として、希土類磁石材料の電子状態と磁性の第一原理計算をすすめた。その結果、一般的に磁気転移温度を20%程度高めに評価するが、全体的な磁気特性はよく説明できること、SmFeN系磁石材料の磁気異方性においては f 軌道と N の軌道混成が重要であること等を見出した。
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