磁気秩序が抑制された近藤格子系層状オキシプニクタイドCeFePOの磁性に対するCr置換効果を探求し、Cr5%とCr45%の近傍組成で2つの強磁性量子臨界点を確認した。CeFePOの電子比熱の増大から近藤温度12 K 以下において、Kondo一重項の存在が確認された。一方、Cr20%では、6 K以下で強磁性転移の出現と電子熱容量の著しい減少が観測され、Kondoブレイクダウンが起きている。また、磁場印加により磁気相転移点の増大が確認され、強磁性相における強磁性揺らぎの存在が示唆される。また、Cr50%では、25K付近において、Feの磁気状態がスピン密度波状態に相転移していることが予想される。
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