磁性物質の新奇な性質を理解し、制御することは現代物性物理学の主目的の一つである。磁性体はしばしば、原子間の相互作用のフラストレーションのために、微視的なレベルにおいて競合関係が生じる。数々の磁性体はこのようなフラストレーションの特性を持ち、結果として固有の興味深い特性が発現する。本プロジェクトでは従来の理論の扱いを越えて、フラストレーションの効果を考慮することにより、希土類磁性体の一群において、局所的な拘束条件に起因して生じる磁性複合体構造が引き起こす、興味深い非平衡現象を見出すことができた。我々の発見は磁性体において、トポロジカル欠陥を制御するための新しい指針を与えることが期待される。
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