Fe添加のBi2212で2つの周期の2次元変調構造が観測された。Fe-free試料で観測された約5倍周期のものと,Fe添加によって新たに誘起された約4倍周期のものである。後者はFeによるストライプのピン留めに起因すると考えられる。また,Dyを添加したBi2212ではホール濃度p~1/8付近でTcの大きな低下が見られた。そこでの変調周期は約3.3倍周期であった。これらの変調周期をフェルミ面のネスティングで説明することは難しい。またDy添加のBi2212(p~1/8)では探針形状やスキャン方向によらず4回対称性が失われており,2次元変調構造は本質的に電子ネマティック状態と矛盾しないと結論した。
|