多層型銅酸化物をベースとした、本基盤研究Cは、乱れのないCuO2面の本質的な電子状態を探ることのできる世界で唯一の結晶系であり、狙いを定めた層数をもつ多層型銅酸化物の純良結晶を作り分ける技術を高めてきた。さらに最近、還元アニールで酸素欠損量(=ドープ量) もかなり正確に微調整できるようになり、この世界唯一の純良多層銅酸化物結晶を用いた核磁気共鳴法(NMR)を組み合わせた層毎の物性を調べる本研究は、空白となっている超低ドープ領域での反強磁性と超伝導のミクロ電子相図を明らかにし、モット絶縁体近傍の自明でない強相関金属状態での量子物質相を明らかにすることができた.
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