d電子を主成分とする低次元伝導電子系と希土類原子上の4f電子からなる局在スピン系が共存し,伝導電子系上に形成された電荷密度波(CDW)と局在スピンの間に強い相互作用が働く希土類化合物RNiC2系を研究対象として,CDWと局在スピン間相互作用機構の解明を目的とした研究を行った.主な成果は次の通りである.①最低到達温度2.8K,最高磁場10Tで構造変化を追跡できるX線カメラを作成した.②(Nd,Dy)NiC2の磁場誘起構造変化を調べ,局在スピンの磁気秩序とCDWの関係を明らかにした.③ YNiC2の整合超格子をもつ相の精密構造解析を行い,この相の起源を明らかにした.
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