EuTi1-xAlxO3(0 =< x =< 1)の試料作成および磁化測定を行い、その詳細な磁気相図を完成させた。x = 0の基底状態は反強磁性絶縁体である。Alの置換量xの増加にともない、Eu2+はEu3+に酸化され、強磁性成分が誘起される。x = 0.10では基底状態は強磁性絶縁体に転移し、強磁性相関はx = 0.25近傍で最も強くなる。この強磁性相の発現にはEu2+/Eu3+の混合原子価が重要な役割を果たしていると考えられる。x >= 0.5では、xの増加にともない強磁性転移温度はゼロに向かって減少する。この結果は、強磁性量子臨界点の存在を示唆している。
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