本研究の学術的特色は、ボトムアップ型に理論的知見を積み上げることで実際に観測されている現象に迫る点である。それぞれの物質系での現象を俯瞰的に見直し、今後の物質設計へのフィードバックも含めた強相関系の光誘起ダイナミクスにおけるguiding principleの構築が挙げられる。これらは、応用研究にも繋がり得る光スイッチング現象の基礎原理解明に貢献することはもちろん、より広い凝縮分子系一般への展開も期待される。すなわち、光合成中心やヘムタンパク質に代表される金属錯体系生体関連物質への展開も考えられ、境界分野へのインパクトを与え将来的に新分野開拓の可能性も十分ある。
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