研究計画書に従い、3カ年計画で高精度励起状態計算手法の開発を行ってきた。まずは既存の手法の問題点の洗い出しを行うために、大小様々な系の計算を行い実験のUV-vis吸収スペクトルと比較を行った。その結果、本手法は電子状態が広がった大規模系に対しては非常によく実験のスペクトルを再現することができることがわかった。一方、二原子系などの極めて小さな系に対しては実験の光学ギャップを過小評価することがわかった。いくつかの改善方法を試みたがいずれも目立った改善には至らなかった。これらの結果を踏まえて我々は極めて小さな系を取り扱うためにはより本質的な改善方法が必要であると結論づけた。
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