平成29年度の実績 論文1本が出版され、学会発表が4回(うち国際会議招待講演1回)、その他国内の大学におけるセミナー発表が複数回行われた。 出版された論文は、前年度より研究を行っていた、ロシュミットエコーに見出される動的相転移に関するものであり、本年度は査読者とのやり取りが行なわれて出版となった。 また本年度は昨年度に引き続き、環境と相互作用する開放量子スピン系のクエンチダイナミクスの研究を行った。量子アニーリングに関する実験の進展により、開放量子スピン系のクエンチダイナミクスは注目を集め始めており、今後研究が急速に進むと考えられる。研究代表者はこの問題に関する画期的な手法を考案し、本年度は数値計算のコード開発とその検証に多くの時間を費やした。研究結果の一部は平成29年9月の国内学会等で発表した。この問題に関する研究はまだ途上であり、残念ながら本プロジェクトの期間内に論文を発表するまでに至らなかったが、本年度の研究は次年度以降の進展に欠かせないものとなるはずである。 研究期間全体を通した実績 原著論文(査読付き)が5本、レヴュー論文(査読付き)が2本、レヴュー論文(査読なし)が1本出版され、学会発表は13回(うち国際会議招待講演4回)行われた。これらの発表実績の全てが必ずしも本課題に直接関係するわけではないが、グリフィス特異性を伴う乱れた系に関するものであるか、または乱れの無い系のクエンチダイナミクスに関するものであり、すべて間接的に本課題に関係している。
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