研究課題/領域番号 |
26400417
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷村 省吾 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90273482)
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研究分担者 |
齋藤 晃 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50292280)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 軌道角運動量 / 不確定性関係 / らせん電子波 / ベッセルビーム |
研究実績の概要 |
角度と軌道角運動量の不確定性関係を数学的に定式化した成果を論文にまとめ、学術誌 Nanosystems: Physics, Chemistry, Mathematics に投稿し、掲載された。また、粒子と波動の相補性と不確定性関係との論理関係を明らかにする研究を行い、マッハ・ツェンダー干渉計においては、不確定性関係の結果として相補性が理解できることを示した。この成果を学術誌 Quanta にて論文発表した。 また、電子ビームを、円形スリットに照射することにより、電子の波動関数の半径方向の分布をベッセル関数の形に制御することに成功した。この成果を学術誌 Journal of the Physical Society of Japan にて論文発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
角度と軌道角運動量の不確定性関係の定式化はできており、それを検証するため、らせん電子波の回折像の撮影実験も一部成功したが、実験データの解析が遅れている。また、不確定性関係の検証のためには、さまざまなパターンの電子波スリットを作製する必要があるが、精度の高いスリットを作製することは容易ではなく、手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
らせん電子線回折像の解析には既存のソフトウェアは不十分な機能を有していないことがわかってきたので、独自に解析プログラムを開発する。また、精度の高いスリットを作製するための機材を調達する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会を開催したが、自前の研究費で旅費を工面した参加者が多かったため、こちらから支給する講師旅費が安く済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には多数の講師を招いて研究会を開催するため、より多くの旅費の支出が見込まれる。また、従来より精度の高い実験試料作製のため、機材費の支出が見込まれる。
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