本研究では、これまでにない短期周波数安定度を持つレーザーを開発するにあたり、周波数安定度に限界を与える光共振器の熱雑音を低減させる事を目指した。光共振器のスペーサー材料として、超低熱膨張セラミックに注目し研究を進めた。しかしながら、60 cm以上の共振器長を持つ大型の超低熱膨張セラミック製光共振器スペーサーの作製において、仕様を満たす性能を保証することが技術的に難しい事が分かった。このため、高反射ミラーの反射膜の機械的Q値をあげて、熱雑音を低減する手法を採用し、これに向けた準備を進めた。反射膜に半導体薄膜を使用することで、熱雑音による周波数安定度の限界を1/10に低減できることが分かった。
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