研究課題/領域番号 |
26400431
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
八尾 晴彦 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 准教授 (60212271)
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研究分担者 |
猿山 靖夫 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (50162532)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脂質二分子膜 / 秩序液体相 |
研究実績の概要 |
我々が開発した超高感度DSCを用いて、コレステロールを含まない脂質二分子膜の熱異常を測定し、秩序液体相(lo相)を探索した。 これまでの結果より、炭化水素鎖長が短く、極性頭部の大きなリン脂質で秩序液体相(lo相)が現れると期待される。 そこで、ジラウロイルホスファチジルコリン(C12PC)より炭化水素鎖が短いジアンデカノイルホスファチジルコリン(C11PC)、 ホスファチジルコリンより極性頭部が小さいジラウロイルホスファチジルエタノールアミン(C12PE)、ジデカノイルホスファチジルエタノールアミン(C10PE)、ジオクタノイルホスファチジルエタノールアミン(C8PE)、 極性頭部が大きく負の電荷を持ったジラウロイルホスファジルセリン(C12PS)、ジデカノイルホスファジルセリン(C10PS)、 極性頭部が大きく負の電荷を持ったジラウロイルホスファジルグリセロール(C12PG)、 極性頭部が小さく正の電荷をもったジラウロイルホスファチジン酸(C12PA)、ジデカノイルホスファチジン酸(C10PA)、ジデカノイルホスファチジン酸(C8PA)について探索を行った。 その結果、C11PC、C12PG、C12PSについてゲル-液晶相転移の中間相として秩序液体相(lo相)が存在する可能性があることが分かった。 そこで、これらの脂質のX線回折実験を行った結果、 C11PCについては秩序液体相(lo相)であり、 C12PSについては結晶相と液晶相の共存領域であり、 C12PGについてはゲル相と液晶相の共存領域らしいことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ゲル-液晶相転移が0℃よりも低温に存在する脂質を探索するため、結晶相の出現や溶媒の水の結晶化により探索が難しくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、他のリン脂質について探索の範囲を広げる予定である。 エチレングリコールなどの凍結防止剤を用いると、秩序液体相と液晶相の相転移における熱異常が大きな影響を受けることがわかったので、水の結晶化の核となる埃をフィルターで除き、水が過冷却しやすいようにする対策を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
できるだけ安い調達先を探すなど、無駄な支出のないように切り詰めた結果である。
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次年度使用額の使用計画 |
秩序液体相であることを密度測定からも示すために、故障した振動式密度計のDCCボードの購入に使用する。
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